2008年4月に竣工したI様邸。
娘さんやお孫さんとの時間が自然と
増えていく中で、“別荘のような逗子での
暮らし”は、やがて“本当の暮らし”へと
変わっていきました。心地よい海風に
包まれるこの地で、マンションから
一戸建てへと住み替えを決意した
I様ご夫妻。たどり着いたのは、自然の力を
活かした「ソーラーサーキットの家」でした。
囲炉裏のある暮らし、風が抜ける設計、
将来を見据えたエレベーターの導入
──どれも、人生の後半を自分らしく、
穏やかに生きるための選択でした。今回は、
竣工から17年が経った今、“終の住処”として
選んだこの家と、イソダとの“その後”に
ついて語っていただきました。

Q1:当時、ご自身やご家族のライフスタイルにどんな変化があり、家を建てる決断をされましたか?I様:もともとは埼玉に住んでたんですよ。それでね、娘が逗子に住んでいて、孫の世話をしに来ることが多くなって。最初は別荘みたいな感覚で通ってたんですけど、だんだん滞在時間も長くなってきてね。ある日、娘に「この近くにいいマンションがあるのよ。今ちょうど売りに出てるの」ってすすめられて。「そんなに気に入ってるんだったら契約しちゃえば?」って言われて、そのまま契約しちゃったんです。いわば、衝動買いですね(笑)。
確かに住んでた場所も、不便ってほどじゃなかったんですよ。埼玉の浦和のそばだったし。でも、夏はとにかく暑いし、冬は寒いし……はっきり言って、そんなにいい場所じゃなかったですね。東京の熱風が全部流れてくるんですよ。で、こっちはほら、南風が海の上を渡ってきて、そのまま入ってくる場所でしょ。だから涼しいんですよ、夏なんか特に。「じゃあ、こっちに住もうか」ってなって、埼玉の家は引き払って、こっちに来たんです。向こう(埼玉)は戸建てだったんですけど、こっちはマンションだから、引っ越しの荷物がとにかく大変でね。
最初はマンションに住んだんですけど、1年くらいでね、「どうにも狭いねぇ」ってなって。それで、「やっぱり一戸建て建てようか」って話になって。それから、このあたりで土地を探し始めたんです。
Q2:数ある工務店・ハウスメーカーのなかで、どのようにイソダに辿り着きましたか?I様:「どうせこれが最後の家になるんだから、ちゃんとした一戸建てを建てたい」って思ったんです。それで、“いい家が欲しい”っていう本を買ってきて、一生懸命読みました。そしたらその中に、「ソーラーサーキット」という家の工法が紹介されていて。「これは良さそうだな」と思って、そこから一生懸命調べ始めたんです。で、「ソーラーサーキットをやってる工務店って、この辺にあるのかな?」と思って調べたらイソダさんに辿り着きました。
「おっ、ここだ」と思って、もう勢いでイソダさんに電話かけて(笑)。そしたら「うちにソーラーサーキットのモデルハウスがありますよ」って言われて。で、電話だけじゃ我慢できなくて、いきなり見に行っちゃいました。まるで殴り込みみたいに(笑)。「どのくらい本当に暖かいのか、確かめてみたいね」って話になって、真冬に行ったんです。雪がちらちら降っているような寒い日でした。
あらかじめ「何日に伺います」って伝えちゃうと、暖房を入れて待たれてたりして、“本当の暖かさ”がわからなくなっちゃうかもしれないなと思って。だから「今日行こう!」って、その雪が舞ってる日に、いきなり出かけていったんですよ。
Q3:じゃあ、いきなり行って案内してもらって、中に入ったんですね?そのときの印象というか、何かイメージに残っていることはありますか?I様:モデルハウスで誰も住んでませんから、もちろん暖房も入っていなかったんです。なのに、雪がちらつくような真冬の日に中へ入ったら、「わっ、あったかい!」って。本当にふんわりと暖かくて、「あ、これは評判通りだな、さすがソーラーサーキットだな」って思いました。
それで、その流れで実際に住んでいる方のご自宅も紹介していただいたんです。そこに行ったら、またびっくり。本当にすっごく暖かくて、「ああ、これは間違いないな」って、納得しましたね。
Q4:他の工務店さんとかは、見に行かれなかったんですか?I様:ソーラーサーキットじゃなかったんですけど、他に1 社、なんかちょっと変わった工法をやっててね。見せてもらったら、床下に断熱ヒーターを全部入れてるんですよ。だから真冬でもT シャツ1枚で過ごせるくらい暖かいって言ってて。そういうのも実際に見たりはしたんですけど、やっぱりちょっと違うなって。
なんていうか、どこかしっくりこないというか、わけのわからない工法で。ちょっと“やりすぎ感”があったんですよね。たしかに暖かいんだけど、床下全体にヒーターを入れて、強制的に温度を上げてる感じがして。それに、だんだん年を取ると体温調節もうまくいかなくなってくるじゃないですか。そういう意味でも、「これはどうなんだろうな…」ってちょっと引っかかったんですよね。
やっぱり、自然じゃないというか。その点、ソーラーサーキットは“自然を活かしている”という感じがして、そこがよかったんだと思います。私たちも、自然なものを大事にしたい気持ちがあったので。やっぱり自分が納得できる「ちゃんとした考え方のある家」がよかったんですよね。
Q5:イソダに決めた要因を教えてください。I様:ソーラーサーキットへの信頼もそうですが、そうですね・・・営業は最初からずっと平沼さんでした。「伺います」って連絡したら、「今ちょうど外に出てたんですけど、すぐ戻ります!」って慌てて帰ってきてくれてね。そこから最後まで、ずっと平沼さんが担当してくれました。真面目な方でね。そういうところにも惹かれたんだと思います。
そしてもう一つ心に残ったのは社長(現会長 磯田誠次)さん。説明会が終わって「それでは今日はこれで」と会社を出たとき、社長さんがわざわざ車道まで出てきて、道端でずっと見送ってくれてたんですよ。それでね、車が走り出して、ミラーでふと後ろを見たら、社長さんがまだ、お辞儀してて。車が見えなくなるまで、ずっと見送ってくれてたんです。「あ、真面目な会社なんだな」って思ったんです。
Q6:会社の雰囲気や印象も、大きな判断材料だったんですね。I様:そうですね。やっぱり最初に「この会社は信頼できそうだな」って思えたことが大きかったです。まず、何十年も続く歴史があるっていうのが安心でした。ほら、工務店って、細々とやってるところも多いじゃないですか。中には急に閉めちゃったり、夜逃げしたなんて話も聞くし。そういうのは本当に困りますからね。
その点、イソダさんは歴史もあるし、会社としての組織もきちんとしていた。「少々高いかもしれないけど、それが“保険”だよね」って。



Q7:家のプランについてはどのような要望を出されましたか?I様:妻のほうは、「エレベーターをつけたい」とか、「床暖も入れてほしい」とか、「トイレを広くして」って、そういうことをいろいろ言っていて。私はもう最初から「囲炉裏を作ってくれ!」って頼んでました(笑)。もちろん、それは絶対に欲しかったんで。囲炉裏がどうしても欲しかったのは、逗子に来る時に手放した茨城の別荘にあったからなんですよ。それがすごく気に入ってたんです。だから今回も、「囲炉裏だけは絶対に外せない!」って。もう極端な話、「山賊小屋でもいいから囲炉裏さえあればいい!」って言ってたくらいです(笑)。
Q8:囲炉裏の空間は、山賊小屋とはまるで別物で、粋で洗練された高級感のある仕上がりになっていますね。I様:実は、家づくりの中でいちばんお金がかかったのが、囲炉裏まわりなんです。特注で板張りにして、壁も赤く塗って……気がつけば、まるで高級料亭のような雰囲気になってしまっていて(笑)。でも、あそこまで豪華で、後世に残すような立派な部屋じゃなくてもよかったんですよ。安い酒をちびちび飲みながら、スルメイカでもつまんで、気の合う仲間と語り合える──そんな雰囲気の場が欲しかった。
だから最初に、「もう山賊小屋でいいよ!」って言ったくらいなんです(笑)。
転機になったのは、イソダさんのスタッフの方々と囲炉裏空間のデザインについて話していたとき。「囲炉裏って、実際どう使うんですか?」って、意外と知らない方が多くて。それなら一度体験してもらおうと、大船の「九つ井」という囲炉裏料理のお店にご招待したんです。
すると、その空間や時間からインスピレーションを受けたのか、イソダさんから今の囲炉裏空間のデザインが提案されて。でもやっぱり、あのお店で囲炉裏を囲みながら、皆さんと同じ時間や空気を共有できたことが大きかったと思います。そのおかげで、お互いに言いたいことを言い合える関係にもなれて。とても良い時間でしたね。
Q9:囲炉裏の空間デザインは、どのタイミングで最終的に決まったのですか?I様:囲炉裏のデザインが決まったタイミングですか?設計とかプラン自体は、もうその時点でほとんど決まっていたんですよね。
あとは、「この空間にどう色をつけるか」とか、「囲炉裏の中をどう仕上げていくか」といった細かい部分だったと思います。ただ、ソーラーサーキットって、基本的に室内で燃焼するものを使うのが難しいんですよ。空気の流れとか断熱の仕組み上、制限があるので。だから、「囲炉裏をどうやって取り入れるか」っていうのは、設計担当の三橋さんがすごく悩んだと思います。
最終的には、囲炉裏のある空間を扉で仕切って、ひとつの独立した部屋のように区画して。完全な密室じゃないけれど、その空間だけ空気の流れを別にしたような形にしたんです。ソーラーサーキットの仕様と、囲炉裏という“火のある暮らし”を両立させるために、設計にはかなり工夫があったと思いますよ。



Q10:年月を経て「こだわってよかった」と感じるところはありますか?I様:ここはね、私にとって本当に動線が楽なんですよ。すごく楽。たいていのお宅って、お風呂場って1階にありますよね?でもこの家は、2階で全部が完結するんです。最初は私も「お風呂は1階かな」って思ってたんですけど、2階に入れてもらったんですよ。リビングも2階にしたいって要望を出して、エレベーターもつけてもらって。結果的に、生活のほとんどが2階で済むようになったんです。
もうあとは眠くなったら寝室に行くだけ。トイレも、洗面も、洗濯も、干す場所まで全部2階にあって、本当に快適です。それに、トイレも広くしていただいたので、将来車椅子になっても安心。実際、妻が足を怪我して車椅子で生活した時期があったんですけど、そのときに心から「この家にしてよかった」って思いました。鏡も大きいのを入れてもらったから、車椅子に座ったままでもちゃんと顔が見えるし、廊下に出るときも不安がなかった。お風呂も、トイレも、「このつくりにしておいて本当に良かったね」って、あの時は夫婦でしみじみ話しました。
Q11:やはり、ある程度は老後の暮らしを見据えて設計されたんですね。
18年間お住まいになってみて、実際にどこか不具合を感じた部分などはありましたか?I様:寿命のある電化製品には多少の不具合もありましたが、構造や建具といった住宅そのものについては、一度も修理をしたことがありません。長年住んでいても大きなトラブルがなく、とても快適に過ごせています。
Q12:この家の「強み」だと感じている点は、どこですか?
特に、ソーラーサーキットとしての強みを感じた場面があれば、お聞かせいただけますか?I様:冬は本当に暖かいですね。最初は「本当にそんなに違うのかな?」と思っていましたけど、実際にソーラーサーキットのモデルハウスに行って体感してみて、「あっ、これは違うな」と感じた、あの時の暖かさは、今でも実際の生活の中でしっかり実感できています。
夏も、最近は異常気象でかなり暑い日もあるので、エアコンを使わなきゃいけない場面ももちろんあります。でも、それでもやっぱり、家の中の空気がどこか穏やかで、過ごしやすいんですよ。来た人みんなが言いますね。「夏もすごく涼しいね」って。エアコンの効きがいいというより、なんていうか外の自然な涼しさがそのまま家の中に入ってくるような感覚なんです。
あとは何がすごいって、“結露がない”っていうのがすごいんですよ。ソーラーサーキットで、なおかつ高気密・高断熱、樹脂サッシのペアガラス。これが本当に効いてるんだと思います。結露のストレスがなくなったのは、本当にありがたいです。
Q13:住み続けていく中で、「あっ、これは思ってた以上に良かったな」って思ったことや、意外な発見ってありましたか?I様:そうですね。風の通りがすごくいいです。この土地、実はそんなに風通しが良い場所じゃないんですけど、うまく抜けるように設計してくれていて。台風の時なんかも、直接風が当たりにくいようになっていて、本当に助かっています。そういった工夫は、やはり設計者の経験が大きいでしょうね。居住性と動線が本当に素晴らしい。とにかく暮らしやすいんですよ。
普段の生活をしていてストレスを感じることがないです。あとはエレベーターは、本当に付けてよかったと思ってます。体調が悪い時や足元が不安定なときに、階段を降りるのって年を重ねると本当に大変なんです。でもこのエレベーターがあるおかげで、無理せず外に出られる。それだけで、気持ちがだいぶ楽になります。今では犬も使ってますよ(笑)。思っていた以上に便利で、暮らしに馴染んでます。だからこれから家を建てる方、特に年配の方には、私は「床暖よりもエレベーターのほうが必要だと思う」と伝えたいです。
Q14:この家に住んでいて、「ああ、この家にしてよかったなあ」と感じる瞬間は、どんな時ですか?I様:そうですね、正直、あまりにも当たり前に快適に暮らしているので、特別な“瞬間”というより、日常そのものがそうなのかもしれません。でもやっぱり、例えば外出から帰ってきた時──特に真夏の暑い日に、エアコンをつけていなくても、玄関を開けた瞬間にすっと風が抜けて、「ああ、やっぱり気持ちがいいな」って思いますね。
あと、東京に行った帰りに逗子の駅に降り立った時も、「あ、逗子はやっぱりあったかい」「空気が違うな」と感じるんです。そういうときに、「ここに住んでよかった」と自然と思います。それから、家そのものの快適さだけじゃなくて、近所の方々に支えていただいている実感もあって、暮らし全体として「ここでよかった」と感じる場面はたくさんあります。
Q15:18年暮らしてきた今だからこそ、「これから家を建てる人」に伝えたいことがあれば教えてください。I様:そうですね。「家づくり」は、建てた後こそが本当のスタートなんですよ。だからこそ、“建てた後”にどれだけ信頼して相談できる人たちがそばにいてくれるかが、一番大切だと思います。
たとえば、年を重ねると脚立に登るのも危なくなって、電球ひとつ替えるのも一苦労。そういう時も、気軽にお願いできるっていうのは、本当に心強いですね。「何かあったら、いつでもどうぞ」って言ってもらえる関係って、住み続けるうえでの安心そのものだと思います。イソダさんが掲げている“一生のお付き合い”っていう言葉、あれは本当に嘘じゃないんだなって実感しています。
それと、やっぱり「歴史がある会社」っていうのも大事ですね。家を建てるというのは一生に一度のことだから、安心して任せられるかどうかは、会社の信頼や継続性にかかっています。長く続いてきたという歴史があるからこそ、私たちも安心してお願いできるし、何かあってもすぐに頼れる。その“歴史”こそが、将来の生活を安定させてくれる支えになるんです。これから家を建てる方には、そんなふうに“住んでからの支え”まで見て選んでほしいと思います。
取材・文章/服部雄一事務所